遺体空輸

遺体空輸までの流れ その1

貨物を積んでいる航空機

当社では、家族葬などご葬儀全般業務の他に、関連事業として「遺体空輸」・「遺体搬送」も専門に行っております。

今回はその中から、基幹産業が観光である札幌市では、なくてはならない関連業務である「遺体空輸」について、お話をしたいと思います。

実際にご遺体が空輸されるまでの流れを、わかりやすく解説してご紹介いたします(ちょっとお話が長くなるので、2回に分けてお話いたします(^_^;))。

①ご依頼

北海道へ来られる目的は「観光」であったり「仕事」であったり人それぞれで、当社にご依頼いただく経緯も実に様々です。

当社の場合、ご依頼をいただく経緯は「空輸先の地元の葬儀屋さんからのご依頼」・「ご遺族様から直接のご依頼」・「病院関係者様からのご依頼」の3パターンに分かれており、比率としてはすべて同じくらいの割合です。

今回はその中でも分かりやすく、「観光」で北海道に来られ、ご遺族様から直接ご依頼されてというパターンを想定して解説していきたいと思います(ちなみに「遺体空輸 札幌」で検索していただくと、当社HPがすぐトップに来ると思います)。

ご遺族様からお電話をいただいた際は、まず以下の事をお尋ねします。

  1. 故人様やご遺族様のお名前
  2. 安置されている病院・病室等
  3. ご遺族様が置かれている現在の状況

これらをお尋ねし、お迎えの準備をするのですが、3.の「ご遺族様が置かれている現在の状況」については、あまり具体的なことまではお伺いせず、概ねを把握できる程度のご質問にとどめ、なるべく迅速にお迎えに上がります。

パソコン画面を確認しながら電話応対をしている男性のオペレーター

②お迎え

お迎え先まで到着したら、ご遺族(又は関係者)の方と面会します。前項で触れた「現在の状況」などを先ほどよりも具体的にお尋ねし、その状況によって、以下のような項目と照らし合わせご安置先を選定します。

  1. ご遺族様の宿泊先のご住所
  2. 付き添い安置の有無
  3. 近くのご親戚の有無
  4. 空輸希望日ホテル~安置場所~空港までの利便性
これらの事を考慮して様々なパターンに対応し、ご遺族様にとって最適な安置場所を迅速に手配・搬送します。

③ご安置

ご遺体の安置先に到着したら、ご遺族様を先にその施設内にご案内し、その後にご遺体もその安置施設内へお運びしご安置します。

当社ではご遺体を安置してすぐ、この段階でご遺族様と一緒にご遺体の状態の確認をします。その確認後に、湯灌と納棺の時間をご遺族様とご相談して決定いたします。

湯灌・納棺

ここでなぜ早めにご遺族様とご遺体の状態を確認し、湯灌と納棺の時間を決めるかというと、「亡くなった経緯や疾患等により、ご遺体の状況がかなり変わってくるから」なんです。

空輸という段階が増える分、ただでさえ通常時よりも荼毘(火葬)に付すまでの日数が延びてしまうので、ご遺体の保全には細心の注意を払う必要があるからなんですね。

少しでも外気に触れないよう早めにお棺にご遺体を納めた状態※にして、密閉+保冷するということです。

※「棺(かん)」とは、その中にご遺体が納められていない状態の事を言い、「柩(ひつぎ)」とは、棺の中にご遺体が納められた状態の事を言います。

湯灌とは?

湯灌とは、ご遺体をお棺に納める前に清拭(せいしき)する儀式の事を言います。

体をきれいに拭いて(または入浴することも)、口元や鼻元などに含み綿の処置を施し、白装束などに着せ替えることを言います。男性の場合だと髭を剃ったり、女性だとお化粧も行います。

病院でも、「エンゼルケア」と呼ばれる簡易的な湯灌を行ってくれるところもあります。

その昔は身内で湯灌を行っていましたが、現在はプロ※(納棺師または湯灌師ともいう)による湯灌が一般的となっています。

2008年に公開された映画「おくりびと」で、主演の本木雅弘さんがその「納棺師(湯灌師)」を演じています。

今までの経験から、離陸まで1日~2日くらいであれば「エンバーミング」をするまで必要な処置は滅多にありません(ごく稀にはあります)。

遺体の処置をしている男性
納棺師(湯灌師)
エンバーミングとは?

亡くなってからさほど日数を置かずに火葬を行う日本では、あまり馴染みのない処置方法が「エンバーミング」です。

土葬が主流の国では一般的なご遺体処置の方法で、ご遺体の長期保存の為に行われます。日本では体内の血液を完全に抜き取り、その後防腐の為の薬液を血管に注入して腐敗の進行を遅らせます。

エンバーミングには何段階かあり、日本のように数日から1ヶ月程度の腐敗進行を遅らせるエンバーミングから、定期的にメンテナンスを施すことで、「半永久的※」なエンバーミングもあります(外国では中の臓器なども除去します)。

日本ではそこまでのエンバーミングをすることはごく稀(と言いますか、ほぼ無い)ですが、アメリカでは医師免許が必要な医療行為となります。

※遺体の保存技術は冷戦時代の旧東側諸国が特に進んでいたと言われており、旧ソ連の指導者「ウラジ-ミル・レーニン」の遺体が、半永久的なエンバーミングを施した遺体として有名。

エンバーマーが女性の遺体にエンバーミングをしている様子
エンバーミング

④打ち合わせ

ご遺体の湯灌と納棺の時間を決めたら、お帰りの日などを決める打ち合わせに進みます。

ここでは、お帰り先のご親戚とも相談しながら、帰りの日時を決定し搭乗便の予約(変更)をおこないます。

観光目的として北海道に来られた方は大半が往復のチケットをお持ちなので、そのような場合は直接航空会社かツアー会社と連絡を取りながら、手続きを進めていきます。

搭乗便の手配が完了したら、同便の貨物の予約もおこないます。

  1. 搭乗便の予約(または変更)
  2. 同便の貨物手配
  3. その他(現地葬儀社または霊柩会社の手配)
 
 3.の現地葬儀社の手配ですが、もちろん当社でお手配ができるのですが、実際は地元のご親戚が手配をしてくれているパターンが多いので、そちらの葬儀社さんへ「ご遺体の状況の説明」と「到着日・到着時間」を打ち合わせる形となります。

今回はここまで

今回のお話はここまでにしたいと思います。

この続きは「遺体空輸までの流れ その2」でご説明いたします。

余談
ちょっと気になった方も多いかと思うのですが…
空輸の場合、ご遺体を納めた柩は「貨物」という扱いになるんですよね(; ̄ェ ̄)
わたしは長年この業務に携わってますが、いまだにこの「貨物」という言い回しには慣れないので、なるべく空輸と言ってます(なんか物みたいでイヤだなと…ご遺族の方はもっとイヤでしょうが…)。

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